
「変額保険は手数料が高いからやめておけ」 「保険で投資をするな」
SNSやマネーリテラシー界隈では、そんな言葉をよく耳にします。しかし、実際に加入し、そして解約した経験者として、私は「世間で言われるほど悪いものではなかった」と感じています。
今回は、私が過去に加入していたソニー生命の変額保険を解約し、新NISAへ移行した実体験と、そこで得た利益、そして最終的に感じた「変額保険をおすすめできる人・できない人」について本音で綴ります。
目次
私の加入状況と解約の決断
私は過去、ソニー生命で以下の4つの変額保険に加入していました(合計500万円+月1万円積立)。全て「世界株式型」です。
- 終身型:100万円(1件)
- 有期型:300万円(1件)
- 有期型:100万円(1件)
- 年金型:月1万円積立(1件)
この中で、昨年(2024年〜2025年頃)に「終身型」以外の3件(有期型・年金型)を解約しました。 解約の理由はシンプルで、資金を新NISAへ移行させるためです。
解約した結果:しっかりと利益は出た

- 有期型(投資額:100万円)→ 170万円(利益:70万円 利率:70%)
- 有期型(投資額:300万円)→ 770万円(利益:370万円 利率:108%)
- 年金型(投資額:32万円)→ 34万円(利益:2万円 利率:6%)
これら3件の解約によって発生した利益の合計は442万円です。 「変額保険は儲からない」という意見もありますが、私のケースでは解約の結果、多くの利益を得ることができました。
ただ、ここで無視できないのが「税金」です。この442万円の利益に対し、金融商品と保険商品でどれだけ税金が変わるのかを比較してみましょう。
【442万円の利益にかかる税金の比較(概算)】
1. 新NISA
- 課税区分: 非課税
- 課税対象額: 0円
- 支払う税金(概算): 0円
2. 特定/一般口座
- 課税区分: 譲渡所得
- 税率(概算): 一律20.315%
- 支払う税金(概算): 約89.8万円
3. 変額保険
- 課税区分: 一時所得
- 税率(概算): (年収800万円で)約30%
- 支払う税金(概算): 約58.8万円
<計算詳細>
- 特定/一般口座の場合(譲渡所得)
- 利益の全額(442万円)が課税対象となり、税率は一律20.315%です。
- 442万円 × 20.315% ≒ 898,000円
- 変額保険の場合(一時所得)
- 課税対象額は (442万円 – 50万円※特別控除) × 1/2 = 196万円 となります。
- 私の年収(800万円)の場合、この追加の所得にかかる税率(所得税+住民税)は約30%となります。
- 196万円 × 30% ≒ 588,000円
まとめ:
- 特定口座や一般口座で同じ利益を出した場合(約90万円の納税)に比べると、変額保険(一時所得)は約31万円ほど納税額が低くなりました。
- しかし、新NISAであれば税金は0円です。手元に残るお金は新NISAが最も多くなります。
世間では否定されがちな変額保険ですが、私の実体験としては「必ずしも否定されるものではない」と考えています。その理由は以下の3点です。
1. ソニー生命の変額保険は運用成績が良い
保険商品ではありますが、中身の運用パフォーマンス(利率)は優秀でした。市場環境が良かったこともありますが、しっかりと資産が増えていたのは事実です。
注意点としては、運用成績が優秀なのは「世界株式型」のみです。
他の商品の場合であれば、加入する価値はないと考えています。
2. 投資初心者にとっての「心理的ハードル」が低い
ここが意外と重要なポイントです。いきなり「証券口座を開いて株を買う」というのは、初心者にはハードルが高いものです。 しかし、「保険」という形であれば、「万が一の備え」という安心感も相まってスタートしやすい。私も最初はそうでした。
3. 「終身型」は葬式代として優秀
今回、私が唯一解約しなかったのが「終身型」です。 これは自分が亡くなった時の「葬式代」代わりになりますし、運用がうまくいけばその受取額も増えます(自分も儲かる感覚)。ここは掛け捨て保険にはないメリットです。
それでも「ほとんどの人にはおすすめしない」理由

利益が出た私ですが、「これから資産形成を始める友人に変額保険をすすめるか?」と聞かれれば、答えはNOです。
理由は明確で、「純粋に投資が目的なら、効率が悪いから」です。
掛け金のすべてが投資されるわけではない
変額保険はあくまで「保険」です。支払った掛け金から、保険関係費用(手数料や保障コスト)が引かれ、残った金額が投資に回ります。 もし私が変額保険ではなく、最初から手数料の安い投資信託(インデックスファンド等)を買っていれば、もっと大きな利益が出ていた可能性があります。
加入するのであれば、保険の機能はほとんどなく投資に特化した商品がソニー生命にはあるのでそれを選ぶのはありだと思います。
新NISAの登場でメリットが薄れた
以前は、変額保険の利益にかかる税金(一時所得の特別控除など)が魅力の一つでした。特に、特定口座・一般口座(譲渡所得)と比べると、一時所得の税制優遇によって納税額を抑えられるというメリットは確かにありました。
しかし、今は利益に税金がかからない「新NISA」があります。 非課税で運用できる枠があるのに、わざわざコストがかかり、さらに出口で税金が引かれる保険で運用するメリットは、現在ではほとんどありません。
解約手続きがとにかく面倒(明確なデメリット)
解約して痛感したのがこれです。 ネット証券であれば、スマホで「売却」ボタンを押せば一瞬で終わります。しかし、保険の解約は書類のやり取りや手続きが必要で、非常に面倒でした。 流動性(現金のしやすさ)の観点からも、ネット証券に軍配が上がります。
結論:変額保険をおすすめできるのはこんな人
私の結論として、ほとんどの人には新NISAでの投資信託をおすすめします。 ただし、以下の条件に当てはまる人には、選択の余地があるでしょう。
- NISAの生涯投資枠(1,800万円)を使い切ってしまった人
- 次の投資先として、特定口座(課税口座)よりは、変額保険の方が税制上有利になる可能性が高いです。税金が低くなる理由から、選択の余地があります。
- 「株式投資」が怖くてどうしても始められない人
- 「投資は怖いけど保険なら…」という人は、まずは変額保険で「お金がお金を生む(儲かる)」体験をするのもアリです。
- 私のように、まずは保険で投資の感覚を掴み、慣れてから解約して、より効率の良い投資(NISA等)へステップアップするという使い方も一つの方法かもしれません。
まとめ 変額保険は「絶対悪」ではありませんが、新NISA時代の最適解でもありません。ご自身の資産状況や投資へのスタンスに合わせて、冷静に選択することをおすすめします。





