幸せの定義は人それぞれ?いいえ、脳科学で見れば「仕組み」は共通です。

「幸せになりたい」

そう願う時、私たちは漠然と「お金があれば」「もっと成功すれば」と考えがちです。しかし、ここで一度立ち止まって考えてみてください。

「どれだけ手に入れても、なぜか心が満たされない。どこか満たされない何かがずっと残っている……」そんな感覚を抱いたことはないでしょうか?

私たちの人生の目的は、お金を増やすことでも、重いバーベルを挙げることでもありません。

「幸せになること」です。

だからこそ、幸せとは何かを知ることは、人生をより豊かなものにするために、最も重要な教養であると言えます。

「幸せなんて人それぞれでしょ?」と言う声が聞こえてきそうですが、確かにその通りです。

1億円もらって幸せな人もいれば不幸な人もいる

結婚して幸せなひともいれば不幸な人もいる

そんなご意見を踏まえた上で、40代になり、ましてや離婚というどん底を経験した今の私には、身をもって分かっていることがあります。

幸せには「正しい順番」があるということです。今回は、精神科医・樺沢紫苑先生の著書『三つの幸福』から学んだ理論を、私の筋トレと投資の生活にどう当てはめているか、その戦略を共有いたします。

幸せの正体は、たった「3つの物質」に集約されます

幸福という言葉を脳科学の視点で分解すると、脳内で「特定のホルモン」が出ている状態を指します。特に重要なのは、以下の3つです。

  1. セロトニン(心身の健康・安らぎ)
  2. オキシトシン(つながり・愛・感謝)
  3. ドーパミン(成功・報酬・お金)

多くの人が犯してしまう間違いは、この「順番」を無視して、いきなり3番目のドーパミン(お金や成功)だけを追い求めてしまうことです。

実は、このドーパミンには「恐ろしい影の側面」があります。 お酒やタバコ、あるいは過度な投機など、一歩間違えると私たちの生活を破壊する「依存」の毒にもなり得るのです。土台がなければ、せっかく手に入れた幸せもすぐに崩れてしまいます。

【まとめ】幸せには「健康→つながり→成功」という、絶対に守るべき優先順位があります。

【土台】「心身の健康」からもたらされるセロトニン的幸福

幸福のピラミッドにおいて、すべての土台となるのが「セロトニン的幸福」です。これは一言で言えば、心身が健康であることで得られる安らぎを指します。

セロトニン的幸福とは、刺激的な喜びではなく「静かな心地よさ」のことです。 「朝起きた瞬間から体が重く、溜息をついて一日を始めてはいませんか?」「最後に、青空を眺めて深く呼吸し、清々しいと感じたのはいつでしょうか?」

朝起きて窓を開けた時の「天気が良くて、ただそれだけでなんだか嬉しい」という感覚。あるいは、外に出た時に「冷たく乾いた風に当たって、シャキッとする感覚が心地よい」と思う瞬間。これがセロトニン的幸福の正体です。

セロトニンを活性化させる具体的な方法

  • 朝日を浴びる: 起床後すぐに5〜15分ほど朝日を浴びることで、脳内のセロトニン合成がスイッチオンになります。
  • リズム運動(筋トレ・散歩): 一定のリズムで体を動かしましょう。私が毎朝行っているエアロバイクや散歩は、脳にとって最高のセロトニン刺激になります。
  • 「噛む」食事: 私が朝食に摂っているプロテイン、バナナ、無塩ミックスナッツは、セロトニンの原料(トリプトファン)の補給だけでなく、しっかり噛むことでリズム運動の役割も果たします。

もし、このセロトニンが低下するとどうなるでしょうか。 心は常に不安定になり、些細なことでイライラし、夜は眠れなくなります。どんよりとした霧の中にいるような、慢性的な「無気力」に支配されてしまうのです。

重要なのは、セロトニン的な幸せには「慣れ(低減)」がないことです。ドーパミン的な刺激と違い、体調が良いことの清々しさは、何度味わっても脳が飽きることはありません。

天気が晴れていて気持ちいいのはずっと変わらないですよね?まさにこれです!

【まとめ】セロトニンが欠乏すると心は壊れてしまいます。何度味わっても飽きない「朝の爽快感」こそが、人生の質を決める最強の土台です。

【中層】「つながり」を守るオキシトシン

2段目は「オキシトシン」、人とのつながりや感謝です。 「周りに人はいるのに、どこか孤独を感じることはありませんか?」「誰かに心から『ありがとう』と言ったり、言われたりする機会が減ってはいないでしょうか?」

大切なパートナーや大好きなペットとハグをした時の、あの胸の奥がじんわりと温かくなるような安心感。これがオキシトシンの正体です。

オキシトシンを活性化させる具体的な方法

  • スキンシップ: パートナーや家族、ペットとの触れ合いは最強の分泌源です。
  • セルフハグ: 実は、自分自身で自分の体を抱きしめる「セルフタッチ」でもオキシトシンは分泌されます。脳は心地よい触覚を察知すると、相手が自分であっても安心感を得るようにできています。コミュニケーションが苦手な方にも非常におすすめです。
  • 感謝を言葉にする: どんな些細なことでも「ありがとう」と口に出すことで、自分と相手の両方の幸せが高まります。

では、オキシトシンが低下するとどうなるでしょうか。 どれだけお金があっても「自分は一人だ」という強烈な孤独感に襲われます。周囲がすべて敵に見え、誰も信じられなくなり、心は冷え切ってしまうのです。孤独という不安を消し去ってくれるのは、他者への感謝と交流なのです。

【まとめ】オキシトシンが欠乏すると孤独感に苛まれます。1人でのセルフハグや感謝の言葉で心の真ん中を満たすことが、再構築には欠かせません。

【頂上】ドーパミンの「光」と、依存という名の「闇」

最後にくるのが、成功やお金による「ドーパミン」です。 「100万円稼いだら200万円欲しくなり、また次の目標を追う……そんな終わりのないマラソンに疲れてはいませんか?」

ドーパミンは私たちに「やる気」をくれる物質ですが、扱いを間違えると非常に恐ろしい性質を持っています。

① 【実体験】FXという「安いドーパミン」の罠

かつての私は、FX(外国為替証拠金取引)にのめり込んでいた時期がありました。短期トレードは脳科学的に非常に危険です。「常にチャートが気になり、仕事中もスマホをチェックしてしまう」「勝てば万能感に浸り、負ければ絶望を味わう」。これはお酒やギャンブルと同じで、脳が安易で強烈な刺激(安いドーパミン)にハックされた状態です。

② 【再生】お酒を控えて手に入れたもの

私はこの依存的なサイクルを断ち切るために、FXをやめ、お酒も控え、投資を「インデックス投資のみ」に切り替えました。 お酒を控えたことで、睡眠の質が劇的に向上しました。夜の「安い快楽(酒)」を捨てたことで、翌朝の「極上のセロトニン(爽快感)」を手に入れたのです。この活力が、レッグプレス160kgを跳ね返すエネルギーとなりました。

③ ドーパミンとの賢い付き合い方

  • 「安い快楽」を「仕組み」で封じ込める: 投資は自動積立にして「見ない」ようにする。短期的な値動きによる無駄なドーパミン放出を抑え、脳のリソースを温存します。
  • 自己成長に紐付ける: 努力の末に手に入れる達成感(筋トレの重量更新など)は、依存になりにくい良質なドーパミンです。
  • セロトニンの土台を忘れない: 土台(健康)がない状態での成功追求は、ただの「暴走」であり、必ず燃え尽きを招きます。

【まとめ】ドーパミンは依存を招く猛獣です。お酒やFXの刺激にハックされるのではなく、自己成長と安心の「ご褒美」として飼い慣らしましょう。

結論:幸せは「なる」ものではなく、技術で「つくる」もの

41歳、人生再構築中の私が出した答えはこうです。

  1. 筋トレで「健康(セロトニン)」の土台を固める。
  2. 投資で「経済的安心」を仕組み化し、不安を消す。
  3. 余ったリソースで「つながり(オキシトシン)」を大切にする。

人生の目的は、幸せになることです。

多くの人が「お金(ドーパミン)」をゴールだと勘違いしますが、お金の本質は「幸せを阻害する不安をゼロにするための手段」です。

毎月25万円を淡々とインデックス投資に積み立てることで、将来への不安という「ノイズ」を消し去る。そして、浮いた時間を重いバーベルを挙げることに注ぐ。このシンプルな切り替えが、あなたに本当の幸福をもたらします。

幸せは、空から降ってくるラッキーではありません。仕組みを理解し、日々のルーチンの中に本物の幸福を落とし込む「技術」です。

「あなたにとっての、本当の幸せは何ですか?」

まずは今日スクワットを10回。そこから、幸せになるための設計図を書き換えてみませんか?